京都SJCD 第3回例会活動報告~京都SJCDの活動報告~

2016/12/04

土曜日の夜は今回講師をしていただいた岡口先生を交えて懇親会、忘年会を行いました。なかなか普段お聞きすることのできないお話しをたくさん聞かせていただきながら、会員の親睦を深めました。

 

 

日曜日の例会は午前中に安藤先生と森田先生の症例報告を行いました。

安藤先生は初めての咬合再構成のケースで、大勢の前で緊張しながらもよく頑張りました。骨格的に左右差があり、多くの失活歯と臼歯部が欠損してる咬合崩壊ケースでした。このケースのキーポイントは前歯の設定でした。上顎の咬合平面の設定は前歯が重要であるということがよく分かったのではないでしょうか?正常な歯を分析し、まずは平均値から導き歯科医のイメージ、患者の要望をしっかり把握したうえで技工士と相談して前歯を決めることが咬合再構成のスタートになります。ファイナルにはもう少し時間がかかりますが、頑張って仕上げてください。この経験が安藤先生にとって何よりも変えれない経験値となったはずです。

 

森田先生は、ガミースマイルを主訴とした患者さんの審美回復を舌側矯正のアドバンテージを利用して劇的に治療した素晴らしいケースプレゼンテーションでした。抜歯矯正では歯軸の問題や、機能を優先するあまり口元が寂しくケースもよく見ますが、このケースでは審美的にも自然な前歯の軸傾斜になり、口元も全く問題ありません。作用機序としてTADを舌側に利用し前歯と臼歯を圧下をさせながら見事に審美回復されており、機能的にも上顎4番下顎5番を抜歯され見事にClassⅠの咬合関係になっており素晴らしかったです。大変参考になりました。

 また京都SJCDの会員向けにご教授して頂きたいです。ありがとうございました。

 

 

午後からの岡口先生の講演は保存修復、歯髄保存、感染根管処置の3部構成になっておりマイクロスコープを使用したワールドクラスの講演会でした。

いかに歯髄を保護するか?MTAセメントの効果もありますが、MIの概念に基づいた岡口先生のマイクロスコープを使用した繊細なテクニックと徹底した感染歯質の除去によるものが大きく、保存修復の概念が根底から覆りました。

 

また根管治療に関しましては、根管形成も大切ですが、感染歯質の除去の徹底が一番必要で、それにはマイクロスコープと岡口先生の開発された器具での感染物質の除去は物理的にしか除去できないものだと実感致しました。

 

なによりも素晴らしいことは、全ての長期症例に写真や動画など記録があり、様々なデーターに裏付けされたケースを提示していただいたことです。

 もう一度歯の保存という歯科医療の原点に戻るためにも、マイクロスコープを用いた治療の必要性を痛感させられた講演でした。

 

 

 

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