京都SJCD 第5回例会活動報告~京都SJCDの活動報告~

2016/02/07

土曜日はステップアップミーティングとして、原田先生、田中先生の症例報告と蘭先生によるCTGの講演が行われました。

 原田先生は過去に他院で行なったインプラントや多数の予後不良歯の状態を考えメンテナンスのことを考えると、いかにシンプルに仕上げるかを考えるケースでした。義歯を選択することは、ネガティブなイメージがありますが不要な固定は違和感の軽減の反面、複雑なブラッシングコントロールを行うことにもなります。これからどの医院も高齢化社会を迎えて、ますますこのような終末治療を考えないといけないケースは多くなります。そういう意味では、参考になったケースでした。原田先生も次回はシンプルなケースを選択し、得意のインプラントで素晴らしいケースを見せてください!

 田中先生のケースはインプラントを使用した咬合再構成のケースで審美・咬合・外科と全てを考えないといけない難ケースでした。セファロ分析での診断やワックスアップでの何度も行なったシミュレーションなど…苦労のあとが見えましたね。その経験が非常に素晴らしく、必ず次回につながることは間違いありません。結果的には患者の満足も得られましたが、抜歯後の骨吸収の予想や顎位を煮詰め、審美的な基準を明確にすればさらに良い結果につながったと感じました。次回もこの経験を生かして行きましょう!

蘭先生 インサービス

 蘭先生によるインサービスはCTGの考え方、テクニックを惜しげもなく見せてくださった素晴らしい講義でした。CTGのことだけではなく、臨床に使える様々なヒントも多数教えてくださり感謝しております。派手さが目立つプラスチックサージェリーの世界ですが、蘭先生の場合、基本的なペリオの考え方…麻酔・切開・剥離・縫合など全てにおいて裏付けがあり、その上での成功であること忘れてはいけないことです。自分では、このようなテクニックは無理だと思っていた先生もこの講義を聞いた先生なら適応症を間違わなければ、簡単なケースを選んで是非チャレンジしましょう。毎回思うのですが…京都SJCDは小さな会ですが、各地で活躍されてる先生が多数いらっしゃって、この土曜のステップアップミーティングでは、少ない御礼にも関わらず素晴らしい講義をしていただけることに感謝しております

日曜日の例会は、大森先生と技工士の若井さんの症例発表と、午後から細川先生の講演会を行いました。

  若井さんの顎関節を適正な位置に戻すためにCTを利用し整復するというコンセプトのもとに、咬合再構成を行った素晴らしいケースプレでした。いままで経験値で行ってきたことをCTで可視化することで立体的に顆頭の位置を決めていくことがとても判りやすかったです。なにより苦しんでる患者の為に、歯科医と技工士との連携が目に浮かびました。次回はより詳しくお聞きしたいです。
  
 大森先生のケースは初めての大きな咬合再構成のケースでしたが、治療ゴールを明確にしないと迷ってしまうことは多々あります。 患者の要望・抜歯非抜歯など色んな事が診断を迷わせる原因です。 結果的には患者さんは満足されていますが、次回、同じようなケースがあれば必ず今回のことが生きてくるはずです。素晴らしい経験をなさいましたね、次回も期待してます。
  
 細川先生 講演会
 正確な写真撮影と貼り付け、そしてどこを基準にするのか?
 午後からの細川先生のテーマはSJCDの原点回帰とも言える診断を力を磨くためにはどうしたらいいのか?そこを、難しい言葉や格好いい英語を使わずに、若い先生向けに面白く、判りやすく伝えてくださりました。そして膨大な写真データと長い経過観察を惜しげもなく見せてくださり本当にありがとうございました。どんな高価な機材や材料、テクニックの前に一番大切ことは何か?情報過多の歯科医療に投げかける問題提起をして頂いたことに感謝しております。主訴が落ち着いたら、皆さんも細川先生の講演を思い出して3つのスタートライン(ミッドライン・インサイザルエッジ・フェイシャルカスプライン)から目をこらしてみてください。きっと何かが見つかるはずです。

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